My Voice
どちらかと言えば、静かにうたうのが好きだ。
声を楽器や音として使う方法は大変好ましい。
ヴォーカリーズはスリリングだ。
声はもともと小さな風なので、よーく言い聞かせれば
とてもうまく走ってくれる日もある。
際どい四連符をサックスのようにvoiceすることは、
声を使って「複雑な迷路を間違えないで駈け抜けるゲーム」の様で楽しい。
ジャズ、ボサノヴァ、ラテン、ブラック・ミュージック全般、
アフリカン、賛美歌などジャンルを問わず何でも歌うけれど、
声質から言えば、絶叫系は不向き。
話すようにうたうボサノヴァはとても好きだ。
外国の曲を歌うときに言語の問題に阻まれて
なかなか思うところに到達できないのが嫌で
ずっと「歌詞なし」の音楽に魅力を感じていた。
ドリイ・カイミのvoiceが作る空間感はいいなあ。
ここ何年かの間、仕事で常に英語を使うようになった。
最近は英語での会話は殆ど困難ではなくなった。
そして長年感じて居た心地悪さ(英語でうたう時に感じる白々しさ)
から解放された。
やっと英語が特別な言葉ではなくなったというのに、
今度はそれをきっかけに日本語を見直すようになった。
最近にいたっては古い日本の歌や唱歌や童謡の方が
うたっていて心地良かったりする。
わたしは、童謡をかなり聴き込んで育った。
母国語はやっぱりいい。
長唄、小歌にも大変興味がある。
実は自分で作った都々逸が古いフォルダに眠っている。
そこそこの数があるのでセレクト後も十三番ぐらまでいけるだろう。
それを三味線で歌ってみたいなぁと
密かに思っているのだ。
都々逸は、昔のlove balladeみたいなものだもの。
文字だけ読むと赤面モノな歌詞も、
うたうのはわりあい平気なものだ。 (と思うけど)
声を使って表現する時の名前は"miyako"を使う。
ネットでは俳号が先に歩き始めたので
なんだかわたしは名前に関してややこしい。
音を表現する方法としては録音が好きだ。
録音は音で細かい絵を描くことと同じだから比較的思い通りにできる。
空間に鳴る自然音のような音が作りたい。
できれば聴いたことさえも忘れられるような音がいい。
マテリアルは声以外でもいい。
聴いてくださった人が途中で眠くなればいいなあ。
miyako